ヤシャブシ かばのき科ハンノキ属
 西高東低の気圧配置で、冬晴れが続くこの頃、過疎地の空はあくまでも青く、どこまでも澄み切っています。

 日本海側や北日本では、まだまだこれから寒さが厳しくなるこの季節ですが、南房総の植物達は予兆を感じてか、着実に春の支度を始めました。
 この辺りでも農家の高齢化が進み、山の畑のように耕作に骨が折れるところは真っ先に荒れ地になります。そのようなところに一番乗りをするのが、このヤシャブシ。
 以前でも薪にするしかなかったものですが、今ではそれすらなく、大方の人が見向きもしません。
 
 が、いち早く春を告げるこの木を、愛でる人も案外多いらしく、時折花屋さんの店先で見ることがあります。
 『原色牧野植物大図鑑』によると、球果の凹凸を夜叉に見立て、“フシ”はその球果にタンニンが多く、染料に使う五倍子(ふし)と同じだからということですが、球果の凹凸が何故夜叉なのか、私には分かりません。
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